松山(愛媛・香川・高知・徳島)の人材派遣会社

株式会社松山人材センター 〒790-0011 愛媛県松山市千舟町5-7-6 ニッシン商事千舟町ビル3階 TEL:089-968-1616 FAX 089-968-1617
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コラム 人と経営
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迫るスタグフレーション

1.中小企業の賃上げが跳ね上がる

毎年、日本経済新聞社が実施している賃金動向調査。今年の中小企業(従業員数が300人未満)の平均賃上げ率(定期昇給とベースアップを併せた)が4.38%と上昇。賃上げ額は1万4309円。

中小企業D社は深刻な人手不足を補うため、初任給を引き上げて採用につなげて行きたいと5%を上回る賃上げを実施。大企業が先導してきた賃上げが物価高や人手不足を背景に、中小企業にも波及している。

人材確保のため賃上げを毎年実施できるかが重要。生産性を向上し売上げが確保できない中小企業は生き残れない。しかし、本調査では大企業を含めた全体の平均賃上げ率は5.49%と4年ぶりに低下した。

2.求人はどうなのか

2024年の平均有効求人倍率は1.25倍、2023年は1.29倍。2022年は1.31倍とほぼ変わらない。有効求人倍率はハローワークに登録されている求職者に対して企業の求人数を表す。1倍以上は求人数が上回っている。

一方、失業率は。2024年度の平均完全失業率は2.5%。2023年度2.6%、2022年度2.6%とこちらも変化は無い。失業率は、労働力人口に対する完全失業者(就職活動中の失業者)の割合を示す。

米国の2025年4月の失業率は4.2%。欧州は英国の4月の失業率は4.5%、ドイツの2025年5月 失業率は6.3%と日本と比べると遥かに高い。

3.間近に迫るスタグフレーション

景気後退と物価上昇が同時に進むのがスタグフレーション。日本に限らず、物価上昇なのに景気が後退するスタグフレーションが目の前に迫っている。

失業率が高いときに起こるのがスタグフレーション。しかし、今は低成長と低い失業率に物価の高騰。あらゆる業界で人材確保が重要な経営課題になっている。

採用が困難な状況は続く、そして企業経営も厳しさが増す。某米穀卸が2月に自己破産を申請した、創業100年を超える老舗が。経営環境は目まぐるしく変化している。低成長は暫く続く。
(Written by 川下行三 25/06/10)
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